一つ前の記事「STEP.1 アイデアを出す」 をまだご覧になっていない方は先に下記リンクからご確認ください.
構成メモとは?
STEP.1で解説させていただいた方法で英作文の内容について大枠のアイデアを出した後に、次にやるべきことはより詳細な英作文の設計図を作ることです.
この詳細な設計図のことを構成メモと呼んでいます.
英作文の対策をあまりされていない方が構成メモを作らずに英作文に取り掛かると、論理的でなかったり、冗長なものになってしまう可能性が高いです.
そのため、特に初学者の方は慣れるまでは、英作文を書く前に必ず構成メモを作るようにしましょう.
構成メモの作り方
次に構成メモの作り方についてご紹介します. 以下は英検1級の英作文向けの構成メモのフォーマットです.
構成メモの各項目の説明は以下の通りです.
- パラグラフの内容を一言で言うと?
- 各パラグラフの概要を一言で表す言葉をメモしましょう
- ここに記載した内容が第5パラグラフで各パラグラフの概要を紹介するときに使います
- 主張
- 各パラグラフの主張をメモしましょう
- ここに記載した文章が第2-第4パラグラフの1文目に対応します
- 理由/具体例 または 具体例1/具体例2
- 理由/具体例型 または 具体例1/具体例2型のどちらか書きやすい方を選択しましょう
- 理由/具体例型 では「(理由)なぜならば〜である。(具体例)実際に〜である。」といった内容になります
- 具体例1/具体例2型 では「(具体例1)実際に〜である。(具体例2)加えて〜である。」といった内容になります
- ここに記載した文章が第2-第4パラグラフの2文目、3文目に対応します
構成メモを作る際には、以下の点に注意しましょう.
- 英作文作成時に手が止まらないように、難しいことば、表現は極力使わない
- パラグラフ間で内容が重複しないようにする
- 後々手戻りが発生しないように、構成メモを完成させてから英作文に着手する
実際の問題での例
実際の問題を使って構成メモの作り方を解説します.
以下は1つ前の記事で扱った2020年度第1回の英検1級の問題です.
日本語にすると・・・
といった感じですね.
アイデア出しの記事で、以下の通りざっくりアイデアを出しました.
- 経済的な視点:アジア諸国との関係改善は日本にとって経済的なメリットがありそう
- 安全的な視点:緊張関係にあるアジア諸国との関係改善は日本近郊の安全に繋がりそう
- 文化的な視点:日本がアジア諸国との関係改善をすることで、国家間の文化交流が増えそう
このアイデアをもとに構成メモを作っていきます.
1つ目のアイデアでは経済的なメリットの話をしているので、パラグラフの内容を一言で言うと?の項目はそのまま経済的なメリットとすると良いでしょう.
次に主張の項目は、アジア諸国との関係改善は日本経済に良い影響があるで良いでしょう.
主張のポイントはここで記載した内容が全体の主張に「だから」で繋がることです.
今回の例では「アジア諸国との関係改善は日本経済にとって良い影響がある(このパラグラフの主張) だから 日本政府はアジア諸国との関係を改善することを優先するべきである(全体の主張)」というように確かに「だから」で繋がることがわかります.
最後に理由-具体例の項目です.
理由のところは、なぜアジア諸国との関係改善が日本経済に良い影響があると思うかを考えてみましょう.
私はアジアにはまだ日本企業が開拓していない市場があるからという理由が思い浮かびました.
また具体例のところは、どこで?、誰が?、何を?といった視点で見てみることで具体的な情報を出すことができます.
私は実際に中国や北朝鮮などにはまだ日本企業が進出していない大きな市場があるという具体例が思い浮かびました.
これで1つ目のアイデアの構成メモを埋めることができました.
同じ流れで2つ目、3つ目のアイデアの項目も内容を埋めて、構成メモを完成させましょう.
私が上記問題で最終的に作成した構成メモは以下の通りです.
初めは時間が掛かると思いますが、時間を気にせず内容重視でじっくり検討してみてください.
まとめ
この記事ではアイデア出しの後に英作文の詳細内容を検討するために作る、構成メモについて紹介させていただきました.
次の記事からはいよいよ英作文の作成に入っていきます.