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本記事の目的
今回は英単語の覚え方に関する記事です.
一般的に推奨されている内容も含みますが、私が実践して多くの英単語を覚えた方法について詳しく解説させていただきます.
英単語を覚えているとは
英単語の覚え方をご紹介する前に、英単語を覚えているとはどのような状態を指すか私が考えている定義をご紹介します.
具体的には下表の通り、英単語の習熟度は5段階で表現できると考えています.
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2020/04/英単語を覚えているとは.001.png)
英単語を覚えている状態の分類
上記の習熟度を理解した上で、英単語学習に取り組む上で大切なことは、
- 現時点でのそれぞれの単語の習熟度レベルを把握すること
- どのレベルまで到達したら良いかを明確にすること
です.
例えば、TOEICで高得点を取得したい方は、リーディングやリスニングで使用される英単語を瞬時に把握することができれば良いのでまずはレベルAを目指せばよく、必ずしもレベルAAやSを目指す必要はありません.
一方、英検1級に合格したい方は、1次試験で英作文、2次試験で即興スピーチが課せられることから、一部の英単語についてはレベルAAやSまで到達する必要があります.
まずは英単語帳に掲載されている各単語について上記習熟度の基準を元にCからSまで分類してみましょう.
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2020/04/単語帳ABC.001-300x225.jpg)
単語帳のレベル分けの書き込みの例です. 定期的に見直しをおこないレベルアップしたものがあれば更新していきましょう.
英単語帳で単語を覚えるための3大原則
次に英単語帳で単語の習熟度をレベルアップをしていくためのポイントついてご説明します.
私が考える、英単語を覚える=単語の習熟度レベルを上げていくための3大原則は
- 繰り返す
- 1つ1つに時間をかけない
- 「ひっかかり」となる情報を書き込む
です.
1つ目のポイントの繰り返すは、文字通り1-2回見ただけでは英単語を覚えることはできないので何度も何度も確認するということです.
その際に重要なことが2つ目のポイントで1つ1つの英単語に時間をかけ過ぎないということです.
なぜならば、1つ1つに時間をかけていると1周するのに多くの時間を費やすことになり、何度も確認することができないためです.
また確認する際には特になかなか覚えることができない英単語を対象に、3つ目のポイント、「ひっかかり」となる情報を書き込むことが重要であり、丸暗記は避けましょう.
以下の記事でも触れていますが、人の名前を覚えるときにも名簿を使って文字列そのものを丸暗記することはなく、実際に関わりを持ちその人がどんな人か様々な情報を得ることで気づいたら自然と覚えているものです.
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2021/08/memory-160x160.png)
英単語も同じ理屈で、様々なひっかかりとなる情報と英単語を結び付けることで覚えやすく忘れにくくなります.
ひっかかりとなる情報とは、英単語に対する付加情報で、例えば発音、使い方、語源などの情報がありますが、それ以外にもたくさんあります.
次の章で詳しく紹介します.
英単語を覚えるためのひっかかりとなる情報15選
私が英単語を覚える上で意識している引っかかり情報を15個ご紹介します.
覚えられない単語に対して以下のひっかかりとなる情報を調べて書き込んでいきましょう.
1. 発音
英単語の発音、アクセントの情報を書きこむ
2. イラスト
英単語が示す情報をイラスト化し書きこむ
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2020/04/cactus-300x300.jpg)
cactus「サボテン」のイラスト.
3. 写真
英単語が示す情報の写真をGoogle画像検索を使い調べて貼る
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2020/04/wince.001.jpg)
wince「しかめ面をする」をGoogle画像検索で検索した結果
4. 問題で使われていた
過去問や問題集で使われていた場合、実際に使われていた文を引用し、いつ、どこで使われていたかを書きこむ
arduous「根気のいる、つらい」
The climb to the top of the tower turned out to be more (arduous) than the tourists had expected.
英検1級2020年度第3回の大問1-(8)で使われていた.
5. 類義語・対義語
類義語(言い換え表現)や対義語を調べて書きこむ
6. 日常生活で見かけた
日常生活で使われているものを見つけたら、その状況を書きこむ
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2020/07/denomination-1-284x300.jpg)
denomination「貨幣単位」という英単語が使われている例. KALDIのレジにて.
7. 語源
単語の語源や成り立ちを調べて書きこむ
fiasco「大失敗」
:語源はイタリア語の fiasco 「瓶(びん)」でその語源はラテン語の flasco 「フラスコ(瓶)」.ベニスのガラス職人が失敗した作品を再利用して瓶を作っていたことに由来する.
8. 接頭語・接尾語
単語を構成する接頭語、接尾語の意味を調べて書きこむ
curfew 「夜間外出禁止令」
:cur「走る」+few「ない」→走ることが許されないイメージ
9. カタカナ語
日本語としてカタカナ語で使われているものはその情報を書きこむ
feasible 「実現可能な」
:日本語でもビジネスで実現可能性の検証をおこなうことをフィージビリティ検証という.
10. 略語
略語として使われているものはその情報を書きこむ
versatile 「多用途の」
:DVDはDigital Versatile Diskの略でデジタル多用途ディスクという意味.
11. 映画や歌で使われている
映画のタイトルや台詞、歌詞などで使われているものはその情報を書きこむ
surrogate 「代理人」
:ブルース・ウィリス主演で「サロゲート(surrogate)」というタイトルのSFサスペンス映画があります.遠隔操作可能なロボット・サロゲートが人間の役割を代理する未来を描いています.
12. ゴロ
覚え方のゴロを調べる、または自分で作って書き込む
barren 「不毛な」
:バーレーン(barren)の砂漠は不毛とゴロで覚える
13. 実際に使う場面を想定した例文
実際にその英単語を会話で使う場面を想定して、例文を作成し書きこむ
14. ざっくりの単語のイメージ
ポジティブかネガティブか、どの分野の単語か(政治?経済?科学?)等ざっくりの情報を書き込む
- hoax 「作り話」
:ネガティブな意味とざっくりなイメージを書き込む - prosecute 「起訴する」
:法律分野の単語とざっくりなイメージを書き込む
15. 英語で意味を理解する
英英辞典で英語で意味を調べて書きこむ
ostracize 「追放する」
:if a group of people ostracize someone, they refuse to accept them as a member of the group
(ロングマン現代英英辞典より)
英検準1級、1級レベルの英単語について、上記ひっかかりとなる情報をまとめて記事にしているので以下もチェックしてみてください.
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2021/04/準1レベルの-160x160.png)
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2021/04/1級レベルの-160x160.png)
ChatGPTなどのAIを活用して覚え方を聞いてみるのでもひっかかりとなる情報を得られるかもしれません.
オススメしない英単語学習法
私が学習効果が高いと考えている英単語学習法は上記でご紹介した3大原則に基づいたものです.
一方、費用対効果が高くない、オススメできない学習法についてもご紹介します.
ノートにひたすら書く
一つ目は英単語をノートにひたすら書くことです.
私も学生時代は学校の先生に言われてよくやっていましたが、単語を覚えるためにノートに単語を10回書くといった勉強方法で単語を覚えられたとはあまり思えません.
書いているうちにだんだんノートに書く作業自体に意識が向いてしまい、本来の目的である単語の意味を覚えることに意識がいかなくなってしまうからです.
- 英語の初学者の方で、アルファベットやスペルを覚える必要がある
- 英作文でよく使う英単語でスペルミスしてしまうものを正しく覚える必要がある
などの目的を除き、ノートに英単語を書く学習は不要と考えています.
単語カードを作る
二つ目は単語カードを作ることです.
ここで言う単語カードとは表に英単語、裏に日本語の意味を書いたようなものを想定しています.
こちらについても私も昔取り組んだことがありますが、単語カードを作る作業に時間がかかってしまうこと、また単語カードを作ることが目的になってしまいがちです.
基本的に情報は1つに集約することが良いので、単語帳1冊に取り組み、カードなどの他の教材は増やさないようにしましょう.
隙間時間を活用した英単語学習法
英単語学習をしているとどうしても覚えられない単語はある程度出てくると思います.
それらの英単語を覚えるためのシンプルな戦略として、接触する回数を増やすということがあります.
人の名前でも、知り合ったばかりのときは覚えられなくても、共にする時間が増えるに連れて気付いたら覚えているということはよくあります.
接触する回数を増やすための方法を3つご紹介します.
英単語をメモに書き、持ち歩く
1つ目は覚えられない英単語をメモに書き、ポケットに入れて持ち歩くという方法です.
単語帳を持ち歩こうとするとポケットに入るサイズのものはないので、いつでもパッと出すことはなかなか難しいですが、メモならばすぐに出すことができるので、ちょっとした隙間時間にも確認することができます.
例えば、移動中の電車の中、街での信号待ち、トイレなどちょっとした細切れの時間に見ることをオススメします.
メモにはたくさん単語を書いても埋もれてしまうので、最初は5個ぐらいから始めると良く、レシートの裏などどうでもよい紙に殴り書きのように書いておき、覚えたら捨てていました.
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2020/04/メモ-300x300.jpg)
英単語を書いたメモのイメージ.
英単語をスマホに録音し聞く
上述のメモだけでは覚えられない場合、さらに印象に残る方法がスマホの録音機能を使い、覚えられない単語をまとめて録音し、隙間時間に聞くという方法です.
録音作業をしなければならないため、メモに比べると少し準備の手間がかかりますが、自分で録音して自分の話している英語を聞くというのは新鮮に感じるため、印象に残りやすくメモを見るよりも更に覚えやすいです.
また発音も一緒に覚えられるという点もこの学習法の良いところです.
録音した音源は歩いている時間や運転している時間など耳が空いている時間に取り組むと良いでしょう.
家の目につく所にポスターを貼る
3つ目は家の中での隙間時間を活用する方法で、家の中で必ず通る場所に覚えられていない英単語を書いたポスターを貼るということです.
ポスターもメモ同様あまりたくさんの英単語を書いてしまうと意識が分散してしまうのでまずはあまり多くの英単語は書かない方がよいです.
またポスターでなくてもチョークボードなどでも代用OKです.
掲載場所は、生活の中の動線になっており、よく目につくところがよく、私の場合はトイレや玄関などに貼っていました.
ただ貼るだけでは意味がなく、その場所を行ったら必ず一通り目を通す、発音するなどマイルールを決めて必ず実践しましょう.
また同じものを貼りっぱなしだとだんだんマンネリ化して見なくなってしまうので、定期的に貼り替えるということも大切です.
覚えていない単語をストックする仕組み作り
語彙力をアップさせるためには以下の式を常に意識すると良いでしょう.
未知の単語に出会う回数 × 忘れずにストックする確率(吸収率) × 継続期間 = 語彙力のアップ
この式の中で特に重要な要素は2つ目の忘れずにストックする確率です.
仮に英語でニュースを見たり、新聞を読んだりして知らない単語に出会っても、またそれを継続できたとしても、それらの知らない単語をストックできないと語彙力のアップにはほとんど繋がないでしょう.
忘れずにストックするためには、単語ノートを作成しまとめることが有効です.
単語ノートは紙のノートでもOKですが、Googleドキュメントで作成すると検索や画像を貼ることができるのでおすすめです.
![](https://furuenglish.com/wp-content/uploads/2022/05/googledocument2-160x160.png)
まとめ
さて、英単語の覚え方について詳しくご紹介させていただきました.
英語学習をされている方はどなたでも英単語の勉強はしていると思うので、ぜひこの記事でご紹介したやり方を取り入れてみて下さい.